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「DO-IT Japan」スカラー(中学生)のプレゼンから学んだ「学校との交渉術」と「iPadおすすめアプリ」がすごすぎる!

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mcmurryjulie / Pixabay

困り感によりそう子育てサークル スマイルクラブ主催の「DXA(ディスレクシアアセスメント)研修会」に参加してきました!
…と言ってもスタッフなんですが(^_^;)

「DXA(ディスレクシアアセスメント)研修会」

LD(学習障害)の中でも、読み書き能力に困難が現れるDX(ディスレクシア)支援に特化した研修会です。幼少期からの気づき、学童期の支援、簡易アセスメントスケールの使用法、支援機器使用の実際等の内容です。

【講師】NPO法人エッジ代表・星槎大学特任教授の藤堂栄子氏をお招きしての講義
【実技デモンストレーション】東京大学DO-ITプロジェクトに参加されている方によるIT機器支援の実際など

引用:スマイルクラブHPより

今回本ブログで紹介させていただくのは、東京大学先端科学技術研究センターのプロジェクト「DO-IT Japan」に参加したお子さん自身によるプレゼン!
これが本当にすごかった!!(もちろん藤堂さんの講義も素晴らしかった!!)

実際の支援機器(特にiPadやWindowsPC)などについての実例の紹介もさることながら、そういった支援機器を学校で使用できるようになるまでの苦労・対策などまで、当事者からでなければ聞くことができないような貴重なお話を伺うことができました。

プライバシーに配慮して詳細は省きますが、重要なポイントをシェアします。

目次

iPad使用について、学校との「交渉」

校長の異動によって、いきなりiPadが使えなくなることも!

TeroVesalainen / Pixabay

話を聞いていて驚いたのが、「校長先生が変わったことによって、新年度からいきなりiPadを支援機器として使えなくなった」ということ。

これって…おかしくないですか???

今までは使えていたiPad。それは彼の困難を支援するための機器であるにも関わらず、「校長先生が変わった」などという外部的な要因でいきなり使えなくなるなんてあまりにも合理的ではありません。

しかし!!
プライバシーのこともありますので、紆余曲折は省きますが、彼はここからがすごい!!
iPadを支援機器として利用を許可してもらえるように学校と「交渉」を行なったそうです!!

交渉のポイントとは…!?

交渉のポイント

1.現状での学習の困難さを提示

客観的なデータを提示(グラフがあるとなおよし!)

StockSnap / Pixabay

学校との「交渉」になるので、相手が納得するような根拠として数字(データ)が効果的だったそうです。さらにグラフ化することでより説得力が増すとのことでした。

自分自身の思いを盛り込む

Ben_Kerckx / Pixabay

客観的なデータとともに、必要になるのが主観的な自分自身の思い。
実際に自分が学習に対してこんな風に困っている!悩んでいる!という思いもしっかりと盛り込んだとのこと。

学習の目的は、知らないことを知ること。
未知を学ぶこと。

「ペンを使って書く」ことは、そのための方法の一つでしかない。
「書く」に困難を抱えているにも関わらず、「書く」ことにこだわりすぎて、本来の目的である「学習」ができないのであれば本末転倒である。

本当にその通りだと思います。

2.支援機器の必要性について

Pexels / Pixabay

視力の悪い人が「メガネ」を利用するように、足の不自由な方が「車椅子」を使うように、読み書きに困難を伴う人がiPadを使用することで、その困難を軽減し、本来の「学ぶ」という目的に集中することができるようになります。

iPadが支援機器として必要であるから使うということです。

学校は、ここの理解がまだまだ遅れているんですよね。

ディスレクシアの方の抱える読み書きの困難は、視力と同様に「努力すれば治る」…というものではありません。がんばっても、努力しても克服できない困難に対して、それ以上の努力を求めるのはあまりにもナンセンスです。

3.学校側の考える「支援機器に対する不安」を取り除く

カンニングできないように設定できる!

iPadにしろ、パソコンにしろ、カンニングができないような設定を行うことができます。
プレゼンでは以下の二通りの方法を教えていただきました。

アクセスガイド(iPhone・iPad)

iOSの設定から行うことができ、単一のアプリ以外を開けなくできます。また時間制限もかけることができます。辞書なども検索できなくなるため、カンニング対策として効果的です。
Lime(Windows)

東京大学DO-IT Japanプロジェクトで開発しているWindowsのソフトウェアです。
上記の通り、ログ解析により特定の感じ検索やソフトの起動履歴を調べることができます。
機器の盗難については「個人の責任」であると誓約書を作成する

「責任の所在が学校にはない」と安心させてあげること。
「支援機器の紛失などに関する責任は自分自身にある」と誓約書を作成されたそうです。すごい!!

「交渉」の結果…iPadを利用できるように!

Fotownetrza / Pixabay

他にも「交渉」を後押しする要素は色々とあったようですが、基本的には彼自身が動いた結果!iPadを支援機器として利用OKになったそうです!!

学校を動かすというのは並大抵のことではなかったでしょう。
それでも、行動したこと、熱意とエビデンスを盛り込んだプレゼンを行なったことが、動かざる山を動かしたのだと思います。子を持つ親としても非常に励みに、勉強になりました。

実際に紹介されたおすすめアプリ(一部)

文字スキャン

写真に載っている文章をテキスト化してくれるアプリです。
動作が重く、インターネット環境がないと使えませんが、精度は一番いいです。

めちゃくちゃ精度の高いOCRテキスト変換アプリ!
目の前で「吾輩は猫である」のA4原稿を取り込んでくれましたが、パッと見る限りでは誤変換が見当たらないくらいの正確さ。

アプリ自体は無料ですが、変換したテキストを保存するには有料のポイントを使用する必要があります(起動時には10Pあります)。

Evernote

‎Evernote - Notes Organizer
‎Evernote - Notes Organizer
メモを取ったり、アイディアをまとめたり、ノートを取ったりなど幅広い用途に対応したアプリです。
共有の性能も高いので、必須のアプリです。

ビジネスでのEvernoteユーザーとして、気になりまくりの中学生のEvernoteの使い方。
主にメモを中心に使用しているそうです。またプリントの写真を撮って、注釈や手書きメモをしたりするのにも便利に使えるんだとか。ちょっとした思いつきやメモなんかでも気軽に保存しておけるので、ノート数はかなり多く、かなり使い込んでいる印象。

うぅ…話を聞いてるだけで、タイムスリップして中学生…いや小学生の頃からEvernoteを使いたくなっちゃいます!!

Pages

‎Pages
‎Pages
開発者: Apple
金額: 無料
Apple純正のテキストエディタです。Wordもあるのですが、Pagesはシンプルで高性能なので、文章作成におすすめです。

「Evernote」は主にメモ、「Pages」は主にレポートや印刷物の作成で使用されているそうです。
この日配布された資料も「Pages」で作成されたそうで、非常に見やすくわかりやすいものでした。

自分なりのアプリの使い分けができているんですね。

またWordよりもシンプルという点にも同意見です。Wordは高機能すぎてごちゃごちゃしてるんですよね…。「Pages」や「Keynote」のようなApple製オフィスソフトはシンプルで使いやすくてデザインもいいので、ぼくもよく使います!

Simple Mind

単語などを線で結んでいくマインドマップを作成するアプリです。
長い作文を作成する際、流れを掴むために重宝しています。

マインドマップインストラクターとして、興味津々で見せてもらいました!
かなりボリュームのあるマインドマップをいくつも作られていて、主に作文を書く前の情報整理などに役立てているそうです。

そうなんです!作文を書く前に頭の中にあるもの(情報・感情・考えなど)をマインドマップで書き出しておくと、そのマインドマップを並べ替えたり、整理したり、付け足したりしながら作文を書くことができるようになります。

こんなに使いこなしているのを見ると、マインドマップインストラクターとしては嬉しい限りでした!!

Tydling

‎Tydlig
‎Tydlig
開発者: Tydlig Software AB
金額: 無料
数字を計算してキャンバスのように保存し、数字を線で結んでグラフ化もできる画期的な電卓です。

衝撃の計算機アプリ!
これはもう計算機の革命といっても過言ではありません。それくらい見せてもらってびっくりしました。

複数の計算式の数字を関連づけたり、計算式のすぐ横にグラフを表示したり、変数を設定することで自在にグラフを変化させたり…数学があまり得意ではないぼくが説明すると余計にわかりにくいですが、とにかくすごい!!

有料ですが、理数系の方は入れておいて損はないアプリです!!

まとめ:子どもたちが全力を発揮できるような「学び方」「道具(ツール)」を選べる世の中にしていこう!

langll / Pixabay

兎にも角にも、素晴らしいプレゼンでした。

学習の目的は、知らないことを知ること。
未知を学ぶこと。

「ペンを使って書く」ことは、そのための方法の一つでしかない。
「書く」に困難を抱えているにも関わらず、「書く」ことにこだわりすぎて、本来の目的である「学習」ができないのであれば本末転倒である。

本当にこれなんですよ。
自分にあった「学び方」や「道具(ツール)」を選択することがそんなにおかしいでしょうか?

大人になってパソコンを学びに来る方はたくさんいます。
でも、この方々はパソコンそのものを勉強にきているわけではありません。

あくまで、パソコンというツールを利用することで、仕事や学びをより便利に効率的に行うために来ているのです。Evernoteやマインドマップも同じですね。

自分にあった「学び方」「道具(ツール)」を使うことは、持てる力を100%発揮するために必要なことです。力を発揮し、未来を切り開いていく可能性を、大人のわけのわからない都合で潰してはなりません。

子どもたちがのびのびと、自分たちの力を存分に発揮して学べる世の中になることを心から願います。

また機会があれば、ぜひ色々と話を聞いてみたいですね!
どうもありがとうございました!!

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