【書評】「人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本」は、意地を張らずにラクに生きるためのヒントが満載!

書評

本の概要

多かれ少なかれ、人は人間関係に「しんどさ」を感じるものです。逆に言えば、それだけ人と関わって生きているということ。
だからこそ、人と関わりながらも「もっとラクに生きること」ができたらいいですよね。

今日ご紹介するのは、そんな考え方のヒントを優しく丁寧に教えてくれる心屋仁之助さんの著書です。

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(「はじめに」より)
僕は、この3年でのべ1000人以上の
クライアントをカウンセリングしてきました。
また、「たった一言! あなたの性格は変えられる」
というメルマガを発行しています。
 このメルマガや、カウンセリングを行なっていて思うのが、
「たった一言」でも、その人の悩みや性格が変わることがあるということです。
本書では、僕がクライアントに話をして、
「考え方が変わった!」
「ラクになった!」
といわれた法則ばかりを厳選してお届けしています。

 人間関係が「しんどい!」あなたへ。
 僕も「しんどい」と思っていました。
 でも、変われます。

 人間関係は「ラク」「楽しい」に変わってくれることを願っています。

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本書のポイント

“自分が正しい”の間違いに気づく

実は「自分が正しい」「自分は間違っていない」と思ったときから問題は始まります。他人の価値観を受け入れない体制の始まりだからです。

そして、相手の生き様や価値観を完全に否定します。

「自分が正しい」「自分が素晴らしい」ことを証明したくて「間違っている人」探しを続けます。

そして「他人が悪い」となります。予定通りです。

「人にいえないこと」は「いえばラクになること」

死ぬほどの勇気をだして、自分が仲間はずれにされていた経験を誰かに話したのです。
が、聞いていた人の反応は、「ふーん」でした(笑)。2秒です。
予想していたような「さげすむような反応」はゼロでした。
それどころか「ふーん」「あぁ、あるよね」という反応でした。

話してみてわかったことは、人は、他人の恥ずかしい話には、たいして反応しない、ということ。今まで自分がトップシークレットとして守り続けてきたことは、単なる思い込みだったと気づいた瞬間でした。

あなたの「ふつう」や「べき」を手放そう

自分と他人との「フィルターの違い」を認められたら、人間関係の悩みは消えていきます。
違いを認めるということは、「比較しない」ということであったり、「正しさを主張しあわない」ということです。
認める、受け入れるということ。

それは、他人を「尊重する」ということ。
それは、自分を「尊重する」ということ。

それができるだけで、驚くほど人間関係の悩みは消えていきます。

相手を攻撃しない。「本当はどうしてほしかったのか」を伝える

伝えるときに気をつけないといけないのは「相手を指摘・攻撃しない」ということ。
相手を攻撃するとき「あなたがおかしい」「あなたの言動に腹が立つ」と伝えるのは、攻撃です。
これは本音ではありません。

相手に思っていることを伝えるときは、「私は、こういう理由で腹が立った。なぜなら…」と、自分が何かに勝手に期待していた、その期待を叶えてもらえなかった、という本当の気持ちだけを伝えることです。

そして、大切なのは、それを伝えたあとの相手の行動に期待しないこと。
相手には相手の都合と考え方があるのです。

時々は、ちゃんと「毒をはく」

「私は問題ないのよ」と平気なふりをする。
いい人のふりをしてしまう。
私は人の悪口や、愚痴をいったりしないのよ、と自分に嘘をついてしまう。

お腹の中は、たまった悪口や愚痴で真っ黒です。
そんなときは、思いきって愚痴や悪口をいってみてください。

そういう人は、それが本心ですよね。
だったら、口にしたほうがいいときもある。
相手に思っていることを伝えるときは、「私は、こういう理由で腹が立った。なぜなら…」と、自分が何かに勝手に期待していた、その期待を叶えてもらえなかった、という本当の気持ちだけを伝えることです。

それらの本音を放出して、すっきりしたあと、それからあらためていい言葉を使ってみてください。

ただし、いつもそうやって、愚痴や悪口、不平不満ばかりいってると、本当に神様が味方してくれません。
出すのは「時々」ですよ。

感想

自分の心が「しんどい!」世界を見せる

人間関係が「しんどい!」と思っているとき、「しんどい!」と思っているのは自分の心なんですよね。

自分の心や考え方が「しんどい!」現実を見せている。

そんなことに気づかされる一冊です。

I’m OK. You’re OK.

人間関係で怒りや不満を感じているとき、多くの場合

「相手が間違っている」
「相手がおかしい」

などと思ってしまいがちです。

でも、それって言い換えると、

「私は正しい」
「私は間違っていない」

という価値観の押し付けでもあるんですよね。

私と他人とは違っていて当たり前です。
私の「ふつう」や「〜するべき」は、誰にでも当てはまるわけじゃありません。

「あなたはあなたでいい」
「私は私でいい」

そう思えたら、きっと今よりもずっとラクになれますね。

自分を大切にすること

心屋さんの本のホッとするところは、「相手の価値観を尊重する」ということと同時に、「私自身の価値観を尊重する」と述べられているところです。

相手を大切にするために、自分を無理に犠牲にする必要もないんです。

私は私らしく。
でも、相手を攻撃する必要もない。
ただ自分の「本当の思い」を伝えるだけ。
それで、相手がどうなるかまでは期待しない。

「戦う」のではなく、「認める」こと。
主張を「押し付ける」のではなく、「置く」こと。

そこに人間関係をしなやかにしていく秘訣があるのだと思います。

秘密にしたいからこそ話してみる

自分の情けない過去・秘密にしたい過去は、話したほうが意外とラクになるという話も、まさに実体験として共感しました。

ぼく自身、職業訓練校に通っているときに行っていた3分間スピーチでは、あえて自分の失恋や引きこもっていた体験談を話していました。
正直、「怖い」と思いましたが、話した後のほうが明らかに周りの方と仲良く慣れたと感じます。

ちなみにぼくの後にスピーチされる方も、色々とカミングアウトするような流れになってしまいました(笑)でも、やはり本当なら隠しておきたいと思う体験談をさらけだせるからこそ、「この人は自分に心を開いてくれるんだな」と感じますし、もっと仲良くなれると思うんですね。

思いきって自己開示してみること。

意外と、それが現状を大きく変化させる一手になるかもしれません。

意地を張らずに…

ありのままの自分を受け入れ、
ありのままのあなたを受け入れる。

その手助けになってくれる優しい本です。

最後にもう一つだけ引用させていただきます。

意地を張らずに、誰かに助けを求め、
意地を張らずに、誰かの考えを受け止め、
意地を張らずに、そろそろ許してあげる。
意地を張らずに、あいつの才能を認め、
意地を張らずに、自分の才能を認める。
意地を張らずに、誰かを信じて任せてみる。
意地を張らずに、誰かを助けてみる。
意地を張らずに、「ありがとう」と伝えてみる。
意地を張らずに、「好き」と伝えてみる。

そんなところから、流れが豊かに変わり始めるのかもしれません。

意地を張らずに、生きていきたいですね。

目次

1章 人間関係が「しんどい!」あなたへ
(人間関係の悩みにはツボがある―イヤなことに反応してしまう“花粉の法則”
本当の問題は、実はあなたの中に―よく考えてみたら元は一つ“根っこは同じの法則” ほか)

2章 「なんだか不安」「どうしよう」自分がダメだと思うあなたへ
(素のままのほうが、ラクに生きられる―自分の張りぼてが成長を止める、“カツラの法則”
“今まで”と“今”をいっしょにしない―将来が不安になる“ネガティブ慣性の法則” ほか)

3章 「なぜかムカつく」「イライラする」他人が許せないあなたへ
(意地を張ると、「本当の気持ち」を見失う―疲れ果てて苦しくなる“岩と旅人の法則”
あなたの「ふつう」や「べき」を手放そう―相手と話が通じない理由がわかる“地図の法則” ほか)

4章 自分も他人もイヤになって苦しいあなたへ
(似たようなところで人はつまずく―自分の壁を突破できない“トラウマラインの法則”
心の初期設定を見直してみよう―自分が思うように動けない“パソコン初期設定の法則” ほか)

5章 人間関係の「しんどい!」を積み重ねない習慣
(ありがとうといってみる―「もっている」のに「もっていない」と思い込む“ギャンブルの法則”
時々は、ちゃんと「毒をはく」―いい言葉を使うことで悪いことが起きる“ウソつきいい人の法則” ほか)

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