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【書評】「荒木飛呂彦の漫画術」は、最強の漫画術であり、最強の仕事術だった!!

   

本の概要

てめーの敗因は…
たったひとつだぜ…… DIO…
たったひとつの単純な答えだ………
『てめーはおれを怒らせた』
(3部,28巻,空条承太郎)

「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画を知っているでしょうか?
少年漫画の王道であり、20年以上も連載が続くモンスター級の漫画です。

数々の名場面・名シーン・名セリフ・名ポーズは、時代を超えて人々に愛され続けています。もちろん私もその一人。上でセリフを引用したキャラクター「空条承太郎」に猛烈に憧れています。

そして、その漫画の作者「荒木飛呂彦」さんもまた伝説の人。
いつまでも色あせない魅力を放ち、老若男女を問わず愛され続ける「ジョジョ」という名作を描き続ける超人です。
(さらに、歳を取るほどに若返って見えるという恐るべき肉体も持っています)

そんな超一流の漫画家である荒木さんが、

企業秘密を公にするのですから、僕にとっては、正直、不利益な本なのです

と帯に書いてしまうほど、その漫画術を惜しみなく披露した一冊。

しかし、読んでみるとわかりますが、これは漫画術にとどまらず、全ての仕事に通じる秘伝の書でした!

今回は、漫画という視点からビジネスの秘密まで読み取れてしまう「荒木飛呂彦の漫画術」を紹介します。

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全く人気が衰えることなく長期連載が続く『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦。
「漫画は最強の『総合芸術』」と言い切る彼が、これまで明かすことの無かった漫画の描き方、
その秘密を、作品を題材にしながら披瀝する!
絵を描く際に必要な「美の黄金比」やキャラクター造型に必須の「身上調査書」、
ヘミングウェイに学んだストーリー作りなど、具体的な方法論からその漫画術を明らかに! 
本書は、現役の漫画家である著者が自ら手の内を明かす、最初で最後の本である。

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本書のココがポイント

「キャラクター」さえあれば、漫画はできる!

漫画の「基本四大構造」の中でも、強力なキャラクターは、これさえ揃っていればもう無敵という、「究極の一本立て」です。極端な話、魅力的なキャラクターがあればストーリーも世界観も必要ない。それぐらい超重要事項だと言えます。プロの漫画家の中にも「キャラクターさえあれば漫画はできる」と言い切る人がいます。

荒木さんの提唱する「漫画の基本四大構造」とは
・「キャラクター」
・「ストーリー」
・「世界観」
・「テーマ」
のことで、この4要素が深く影響を及ぼし合いながら漫画を成立させているそうです。

そして、その中でも最重要なのが「キャラクター」。
これさえ魅力的であれば、他の要素は必要ないと言わしめるほど。

確かに自分が好きな漫画を思い出してみると、どれもキャラクターが魅力的です。
「ドラゴンボール」でしたら「孫悟空」というキャラクターの強さ・かっこよさに憧れますし、「うしおととら」でしたら「うしおととら」というキャラクターの人間らしさ・憎めなさ・二人の関係性に強烈に引き込まれます。

キャラクターが魅力的だからこそ、漫画を読んでしまうんです。
どんなにストーリーが素晴らしかったとしても、キャラクターに魅力のない漫画を誰が読むでしょうか。

そう考えると、ビジネスにおいても同じことが言えるかもしれません。

たとえば、「さかなくん」が講演会をしますといえば、おそらく会場は満席になるでしょう。もちろん講演内容も素晴らしいものになるでしょうが、参加申し込みをする多くの方は、「さかなくん」に会いたい、間近で一目見たい、と思っているはずです。

逆に、同じ講演内容だとしても、「さかなに詳しい人が来ます!」という触れ込みでは、おそらく人が集まらないでしょう。
「さかなくん」とは、確立されたとても強烈で魅力的な「キャラクター」なのです。
その名前だけで、あのハコフグ帽子や独特の声やしゃべり方などまでイメージできてしまうのです。そんな「さかなくん」だからこそ、みんな会いたくなるのです。

つまり、「『大好きなあの人』に会いたい」という思いは、そこで手に入るどんな商品や情報以上に、価値をもつものなのです。

だからこそ、私たちは自分自身のキャラクターを磨き上げるということが大切なのではないでしょうか。それがしっかりとできさえすれば、価格競争とは無縁の世界に到達できるのかもしれません。

“欠点”こそが、キャラクターを魅力的にする

この時、気をつけなくてはならないのは、
・長所ばかりでなく短所も考える
ということです。特に、ヒーローの身上調査書を作るときは、よいところしか見ていないことが多いので、生活に関わるような俗っぽいことや欠点について考えるのは難しいかもしれません。けれども、強さや憧れる部分と同時にその人物の弱さを描くことで、キャラクターに「立体感」が出てきます。
そして、その短所は、
・短所に悩み、それを克服しようとする「努力」を描く
ことにつながっていきます。

欠点がない。
短所がない。

これほど人間味のないキャラクターもないでしょう。
少なくとも私なら「共感できない」「うそくさい」というのが率直な感想です。

どんなに強くても、どんなにかっこよくても、弱さがなければ「うそくさい」んです。
生身の人間として「ありえない」んです。

ですから、そんなキャラクターには本当の意味で憧れることはありません。

私たちが共感し、あこがれ、魅力的に感じるのは、強さと弱さの両面をもつ人物。
その弱さに悩み、あがき、克服しようとする生き方。

それは、私たち自身がそうやって生きていきたいと心のどこかで願っているからかもしれません。

つまり、私たちは完璧超人になる必要なんてないんです。
欠点を抱えながら生きている、その生き方そのものが魅力につながります。

実は、私は「速水もこみち」さんが嫌いでした(過去形です)
それは、彼がとても完璧に見えていたからなんですね。
かっこいいし、背が高いし、頭もいいし…まさに完璧超人です。

しかし、彼が料理コーナーに出始めて評価が一変しました。
信じられないくらいの量のオリーブオイルを使ってみたり、やたらと高い位置から塩を振ってみたり、視聴者の要望と全然関係のないものを作り始めたり…

ネット上でも話題になるくらいに独特な彼の調理に「この人っておもしろいな!」と心惹かれてしまいました。

さらに彼のすごいところは、それだけ評判になったとしても、そのやり方を克服しようとしなかったところです。彼の場合は、そんな自分を「完全に受け入れている」ということなのでしょう。

弱さや欠点(という言い方が正しくはないかもしれませんが)は、あえて克服せずに、「自分らしさ」として受け入れ、昇華させることもひとつの方法です。

今では、「速水もこみち」さんが大好きな芸能人になってしまいました。

つまり、魅力的なキャラクターには、強さと同時に弱さが必須であり、それは私たち自身の魅力を高めていくときにも同様なのです。

考えながら、感じながら、模写をする

模写するにしても、ただ「やっぱり上手いなあ、いいなあ」と写すのではなく、「この骨格はしっかりしているな」「このキャラクターは、こうやってシンボル化しているのか」「どんなことを目的にして描いているんだろう」という視点ですれば理解も深まりますし、何回か繰り返して描くうちに自分自身の楽しさや絵に対する願いのようなものが絵ににじみ出てくるはずです。そうしたものを突破口に、おそらく自分なりの世界ができるはずですし、単なる真似でない、自分自身の絵が発展していくのだと思います。

模写に限らず、何かを身につけようと思ったら、プロの真似をすることが重要です。

私は今でこそマインドマップの公認インストラクターをしていますが、マインドマップ初心者だったときには、講座の先生のマインドマップを何枚も模写しましたし、本に書いてあるマインドマップを模写していました。

講師としてもそうです。
他の講師の方のセミナーの組み立て方・話し方を真似してみることもあります。
しかし、基本的には自分のスタイルを崩さずに…なんですね。

その際に大切なのが、「具体的に何がいいのか」を考えながら真似をすることです。

「いいなあ」「すごいなあ」は誰にでも言えます。
しかし、この感想は抽象的すぎて、自分自身が真似しようとしたときに、具体的に取り込むことができないのです。

真似をしながら、やり方を見ながら、

「こういう意図があるから、こんな風に描くのか」
「この話のつなげ方は、受講者にとってわかりやすいな」

といったことを常に考えています。
そして、それを自分のスタイルに取り込んでいくのです。

以前、ビジネス書作家の美崎栄一郎さんとご一緒したときに、レストランに飾ってある絵を見て「あの絵にはどんな意図があると思う?」ときかれました。

「人が何かをすることには必ず“意図”がある。だから、何かを見るたびにその“意図”はなんだろうって考えることが、閃きやアイデアを生み出す糸口になるんだよ」

その言葉が今でも胸に残っています。
なので、それからは「目に見えること」の裏にある「目に見えない思い」を探ることを日常の中で取り入れています。

模写や真似をすることで大切なのは、コピーする(コピーになる)ことではありません。

模写や真似を通して、実際にやってみなければわからない「思い」「意図」「目的」「技術」を具体的に理解し、身に付けることにあるのです。
そして、それを理解して身に付けることができたら、必要に応じて自分自身のスタイルに加えてバージョンアップさせていくのです。

アイデアは、私たちの人生から生み出される

アイディアは作者の人生や生活、考え方に深く関わっているところから生まれる、ということです。
自分が興味を持っているもの、自分が経験した恋のトラブル、あるいはどこか外国に行きたいということや身近で起こった事件でもいいのですが、それが何であっても、作者の生活に密着しているところから着想を得るべきだと思います。

作者の人生が豊かでなくては、アイデアは生まれてこない、とも言えるかもしれません。

人生を豊かに生きるとは、実際の経験や体験だけに限らず、思うこと・感じること・考えることなどの脳や心の活動も含めてのことなのでしょう。
そうやって様々な形のインプットを経て、アイデアというアウトプットがなされます。

そうなると、ここで大切なのは自分自身の全てを受け入れるということ、すなわち「自己受容」ではないでしょうか。

生きていれば決していい経験や思いだけではないはずです。
失恋という悲しい経験をしたり、時にはどうしても許せないほどの怒りの感情に囚われたり…

しかし、それもやはり自分自身が経験し、感じたことなのです。
そして、それが人間らしさでもあり、誰かの共感をよぶものであるのです。

負の経験や感情を否定するのではなく、それもまた私自身の一部であるという受け入れができたとき、私自身の経験や見るもの聴くもの、感じるもの全てが、未来に活かすためのアイデアの種になるのではないでしょうか。

人生とはプラスにもマイナスにも豊かであること、そしてそれを受け入れることが大切なのだと思います。

まとめ

漫画を描く人も、描かない人も、ぜひ読んでほしい一冊です。
「漫画家じゃないし…」なんて敬遠するのは、本当にもったいない!!

漫画家として第一線を走り続けてきた荒木さんだからこその、秘伝の数々。
それは漫画にとどまらず、あらゆる仕事に通じるものがあります。

今回紹介できたのは、ほんの一部です。
ですが、本書では漫画を描かない人にもわかりやすく、丁寧に「漫画の描き方(=仕事のやり方・考え方・秘伝の数々)」が書いてあります。

本書で荒木さんが述べていますが、

ぼくは、漫画は最強の「総合芸術」だと思っています。

という言葉の中には、魅せる・伝える・心をつかむ・心震わせる・共感を生む・語り継がれる・ブーム(流行)になる…などの要素が全て網羅されているのではないかと感じました。

そして、これらはビジネスにおいても必要なことばかり。
まさに最強の漫画術こそが、最強の仕事術に通じるのです!

漫画という視点から、新しい風を入れてみましょう。
きっとヒントになることがたくさん見つかるはずです。

目次

はじめに

第一章 導入の描き方

第二章 押さえておきたい漫画の「基本四大構造」

第三章 キャラクターの作り方

第四章 ストーリーの作り方

第五章 絵がすべてを表現する

第六章 漫画の「世界観」とは何か

第七章 全ての要素は「テーマ」につながる

実践編その1 漫画が出来るまで

実践編その2 短編の描き方

おわりに

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