本の概要
最近「自己PR」が苦手な子どもたちが増えてきたという話を友人から聞きました。実は「自己PR」だけに限らず、会話そのものが苦手だという人が増えているようにも感じます。
しかし、人間は人と人との間で生活する生き物です。
自分の「考え」「思い」をうまく相手に伝えることができれば、それなりに「楽しい」生き方ができるはずなんですよね。
今日は、「話し方」「伝え方」を自分の武器にして、自信を持って会話ができるようになるための一冊を紹介したいと思います。
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この一冊だけで、あなたも、今すぐ、話し上手になれる!
「初対面の人との会話術」「効果的なあいさつ」から、
「聞き上手になるための方法」「印象に残る自己紹介」「名刺の活用法」「会話のきっかけ作り」「巧みな質問の仕方」
「ほめ方・叱り方」「クレーム対応」「話題作りのための情報収集術」まで。
一生役立つ「頭のいい話し方」のコツ、すべて教えます!
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本書のココがポイント
魔法の口ぐせ「たとえば」「一言で言うと」
魔法の口グセ1「たとえば」
「たとえば」の後に続くのは「具体的なエピソードや例」です。相手には明確なイメージが浮かび、話し手が最も理解してほしい“ニュアンス”が伝わります。
魔法の口グセ2「一言で言うと」
「一言で言うと」という言葉で話を始めることで、自分が言いたいことを要約する習慣がつくとともに、相手にはもっとも大事なことを「もうひと押しする」効果があります。
あいずち上手のポイントは「同・共・促・整・転」
「あいづち」は会話の潤滑油なのです。
とはいえ、「うん」「うん」と首を縦に振るだけのあいづちや、判で押したように同じような言葉を繰り返すだけでは芸がありません。話をする方も相手はちゃんと自分の話を聞いてくれているのか不安になります。あいづちの名人とは、「ただ話を聞いてあげただけなのに、相手に“今日はあの人と話せて楽しかったなぁ”」と思われる人です。
あいずち上手のポイントは「同・共・促・整・転」
同意
「そうですね」「そのとおり」「同感です」「なるほど」共感
「大変ですね」「心配ですね」「頑張りましたね」「苦労しましたね」「わかります」促進
「というと?」「それから、どうなりました?」「その後はどうですか?」整理・要約
「つまり〜ですね」「というのは〜ということですね」「一言で言うと〜ということですね」転換
「ところで」「そういえば」
毒がありそうな話をするときには「毒消し言葉」で始める
私は講演などのとき、特定の地域や業種の人の例を挙げる等、相手が不快感を持つかもしれない話題を出すときは、「毒消し言葉」を使います。
「ちょっと保険業界の人がいたら申し訳ないのですが…」
「あなたが関西出身だったら申し訳ありませんが…」と毒消し言葉で始めて、
「こういうことがあったんです」
などと、今から言うことは、あくまで特定の人のケースであって、すべての人を差すものではない…と前提条件をつけて話し出します。それがすんなり受け入れられるようだったら、話をどんどん広げていくわけです。
相手の「こだわり」に気づいて、話題にする
他にも、訪れた会社にかけてある標語や絵画、応接室の置き物など、相手の「こだわり」に気づいて話題にすることで、いい結果になった例はたくさんあります。
目立つように飾られているということは、訪れた人に「気づいてください」と言っているのと同じこと。特に大きな格言の額が飾られていたら、「社長の座右の銘ですか。いい言葉ですね」と言ってみる。
ここから広がった話題は、実際に研修を行うときのヒントにもなります。
感想
今こそ「伝え方」を身につけよう
コミュニケーションの講師という仕事をしていると、「聴く」ことについて話をすることが多くなります。しかし、実際には「聴く」と同じくらい「伝える(話す)」ことも大事なこと。
むしろ自己主張が少なめ・苦手になってきた現代人にとって、「伝える」技術を学ぶことは「聴く」以上に大切なのかもしれません。
そんな「伝える技術」を、本書では様々なをわかりやすく・覚えやすく紹介されています。
ぼく自身、本書と照らしあわせて、自分のコミュニケーションが相手にどんな影響を与えていたか、見なおしてみるいい機会になりました!
「たとえば」は本当にスゴイ!!
ぼく自身、口ぐせのように使うのが「たとえば」
何かを伝えるとき、教えるとき、わかってほしいとき、あらゆる場面で使っています。
たとえば、パソコンのOSについて説明するときでも、
「パソコンの「OS」って、例えば「通訳」みたいなものなんです。
実はパソコンの世界の人たちは、0と1でしか言葉を話せません。
そして、ぼくらは、0と1では話ができません。ということは、パソコンと人間がコミュニケーションを取るためには「通訳」が必要になるんですね。その「通訳」の役割を果たしてくれるのが「OS」というものなんです」
といったふうに。
ポイントは「相手の世界にある言葉で「たとえる」こと」
これだけで「伝わり方」がグンと向上しますよ。
そして、本書でも「魔法の口グセ」として紹介されているように、「口グセ」にしちゃうといいですね。そのためにも、「たとえば」を頻繁に使うのはオススメです。
具体的な「言葉の例」がわかりやすい!
状況に応じた「オススメの言葉」がたくさん紹介されているのは、本当にありがたいですね。
もし「自身感情を高める言葉をかけることが大切です」とだけ書いてあったとしても、それだけでは「で、その言葉って具体的にはどんな言葉?」となってしまいますよね。
本書では、
自尊感情を刺激する「か・き・く・け・こ」
- 「かないません」
- 「気づきませんでした」
- 「悔しいけれども、私の負けです」
- 「結構、やりますね」
- 「こだわりますね」
質問力アップのための「た・ち・つ・て・と」
- 「たとえば、どういうことでしょうか?」
- 「ちなみに〜の場合はどうでしょう?」
- 「つまり〜ということですね」
- 「どの程度でしょうか?」
- 「と、おっしゃいますと?」
といったように、具体的な言葉の例がわかりやすく紹介されています。
これらのポイントを抑える(覚える)だけでも「伝え方」は、かなりアップするのではないでしょうか。
ビジネスでの「伝え方」もバッチリ!
本書の構成は、
- 前半→「幅広い人間関係(友人・家族・友達・仕事)で使える伝え方」
- 後半→「ビジネスで必要とされる伝え方」
になっています。
なので、ビジネスでのコミュニケーション力(特に「伝え方」)をアップしたい方は、まずは後半の方をパラパラとめくられてみてもいいかもしれません。
引用しましたが、「相手(特に社長)の「こだわり」を話題にする」ことや、「好感度アップの『小さな言葉』」など、すぐに使えてテクニックを学ぶことができます。
全部を使える必要はないかもしれませんが、自分の仕事に少しでも+αすることができたらいいですよね。
ちなみに、社内における、部下から上司への伝え方、上司から部下への伝え方なども大切なポイントが紹介されているので、社内コミュニケーションの向上にも使えます。
「読み手の視点に立って」書かれた、非常に伝わる一冊!
タイトル「「話し方」「伝え方」ほど人生を左右する武器はない!」とあるとおり、とても伝え方がうまい本だと感じました。
重要なポイントが短く・わかりやすく押さえてありますし、語呂合わせで覚えやすいオススメ言葉の紹介もされています。
メッセージを発することに大切なことは、メッセージの「受け手」の立場に立って、「どんなふうにメッセージを伝えられたら理解しやすいか?」を意識すること。内容だけでなく、本そのものの読みやすさからも学ぶことができた一冊でした!
目次
はじめに
この一読で、あなたの人生がガラリと変わる!
──一生役立つ「話し方」のコツすべて教えます!第1章 誰でも必ず「話し上手」「伝え上手」になれる
──あなたの 評価 能力 魅力 はここでアップする第2章「好かれる人の聞き方」その巧みなツボ
──知っているようで知らない会話の心理第3章「初対面で心をつかむ人」このひと工夫
──なぜ「短い会話」でも印象に残るのか第4章「会話が続く、盛り上がる!技術」これだけのことで!
──楽しい話題作りから場をなごませるテクニックまで第5章「ほめる、謝る、主張する……」頭のいい方法
「できる人」が実行している、この極意第6章「状況を思い通りに変える」会話術
──なるほど、その言い方があったのか!第7章 ケース別・今さら聞けない「仕事の微妙な場面」での話し方
──ピンチを脱するための会話術
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